2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧
Vodou Alé by Chouk Bwa & The Ångstromers 6人組のミジク・ラシン(ルーツ・ミュージック)バンドのChouk Bwaとダブ・デュオThe Ångstromersによるデビュー作『Vodou Alé』は熱狂的な、38分間の祝祭である。ハイチのヴードゥーにルーツを持つChouk Bwaの…
Origins by Foul Play UKハードコアはそのにこやかなアプローチが人気のシーンである。ハイエナジーなブレイクビーツ、ピッチの上げられたヴォーカル・サンプル、逆上したシンセの刺すような音色、そしてコポコポと音を立てるベースライン。これら全てがだだ…
Both by Bill Nace ギタリスト・Bill Naceはこの15年間、ロックと即興演奏、そして純粋なノイズが交わる交差点に居続けてきた。彼には未解明の緊張状態を好む傾向があった:彼は共作者たちに静かな不安とともに演奏するように強いるが、それと同じくらいの頻…
W by Populous イタリア人の音楽学者であり電子音楽のプロデューサーでもあるAndrea Mangia(アーティスト名はPopulous)は、国際的なエレクトロニック・ミュージック・シーンにおいて、多くの異なるジャンルを横断するような巧みで絶妙なダンス・トラックを…
Part 26: 75位〜71位 70. Beach House: “Zebra” (2010) www.youtube.com Beach HouseのシンガーVictoria LegrandはバンドメンバーのAlex Scallyによるインストのデモを聴いて、その振り子のようなリフとドラマティックなクラッシュ・シンバルにシマウマを思…
Pantayo by Pantayo “bahala na”というのは、宿命論者でありながら楽観主義者でもあるというフィリピン人の性格を表したものである。人生に起こることは何であれどうにかすることができる。それが神的なものによる干渉であるときもあれば、その人の持ってい…
The Mosaic Of Transformation by Kaitlyn Aurelia Smith Kaitlyn Aurelia Smithが作る音楽は、予め迷子になるように設計されている――曲ごとに催眠度を増していく、浮力のあるシンセと瞑想的なマントラが作り出す結晶質の世界。大抵の場合はじゃまにならない…
Part 13: 80位〜71位 70. Perfume Genius: No Shape (2017) Mike Hadreasによるアヴァン・ポップ・ユニット、Perfume Geniusによる4作目『No Shape』は、ベルや笛、バロック風のストリングセクションの使用をも厭わない、真実の愛に向けられた熱狂的な頌歌で…
Acquiesce by TALsounds Natalie ChamiがTALsoundsとしてリリースした最新作のジャケットにはマットレスの端が写された、無味乾燥な写真があしらわれている。ベッドには枕が置かれていて、その隣に置かれたナイトスタンドの上にはおばあちゃんの家においてあ…
They Call Me Disco by Ric Wilson, Terrace Martin シカゴのラッパー=Ric Wilsonとロサンゼルスのプロデューサー=Terrace Martinはこの共作EP『They Call Me Disco』に最大限の勢いと信じられないほどの温かさをもって取り組んでいる。作品の冒頭から即時…
CARISMA by Salt Cathedral 2016年、ブルックリンを拠点とするコロンビア人デュオ=Salt Cathedralは単純で、それでいて物事の見方が変わってしまうような重要な気づきを得た:人々はダンスをしたがっている! 当初はNicolas Losadaによる知的でLittle Drago…
Pacific Breeze 2: Japanese City Pop, AOR & Boogie 1972-1986 by V/A - Pacific Breeze 2020年にあって、日本のバブル期というのはファンタジーのように思える。1980年代にわたって訪れたその時期の間、この国の経済は高く舞い上がり、歓喜に満ちたムード…
A Heart So White by Jonny Nash & Suzanne Kraft Jonny NashとSuzanne Kraft(プロデューサー=Diego Herreraの変名)による穏やかなアンビエント・ミュージックは、まるでほとんど何も残らないほどに削ぎ落されたかのように聞こえる。Nashはこの柔和なミニ…
Opal Wand by Black Taffy Donovan JonesはBlack Taffyとしてビート・ミュージックを作り始める前、This Will Destroy Youというポスト・ロック・バンドでキーボードとベースを弾いていた。現在はLAの名高いLEAVING Recordsと結びつき、ダラスを拠点とするこ…
Nehruvia: My Disregarded Thoughts by Bishop Nehru 2012年、Bishop Nehruはデビュー・ミックステープ『Nehruvia』を自主制作でリリースした。物憂げな雰囲気のその16歳は人生についての大人びた考え方と、酩酊感のあるループと愉快で朦朧としているドラム…
Yeo-Neun by Okkyung Lee あなたがもしOkkyung Leeの作品に少しでも触れたのなら、彼女の力量はすぐにわかるだろう。チェロ奏者であり作曲家である彼女はこれまでにフリー・ジャズ、チャンバー・ミュージック、即興ノイズ、エクスペリメンタル・エレクトロニ…
Dias Raros by Melenas スペインのパンプローナを拠点とする4人組Melenasは2作目となるこの『Dias Raros』において、2017年のセルフタイトル・リリースで聴かせていたフラワー・パンクから退き、同世代であるPeel Dream Magazineのような知的なインディー・…
recovery girl (Deluxe Edition) by recovery girl Galen Tiptonの最新リリースはアーケード・ゲーム愛好家なら誰しもがおなじみのあの質問から始まる。「コンティニュー?」このオハイオのプロデューサーは感情を転覆させる。ヴィデオ・ゲームでは終わりを…
Built To Spill Plays The Songs Of Daniel Johnston by Built To Spill ソングライターである故・Daniel Johnstonの類まれなる才能の一つは、人間の小さな喜び、そして押しつぶされそうになるほどの憂鬱を繊細かつはっきりと表現することができる能力だった…
Bobby Joe Hope by Jon Mckiel 2015年、カナダのカルト的なインディー・ロッカー、Jon McKielはネット上の見知らぬ人からオープンリール・レコーダーのTeac A-2340を購入した。機器をセットアップした後、彼は同梱されていた30本のテープのうちの1本に、以前…
A Pennies Worth by KinKai イングランドのマンチェスターで生まれ育ったラッパーのKinKaiの最新フル・アルバム『A Pennies Worth』は、涼し気なフックとゴージャスでジャズ風のプロダクションを持つチル・ヒップホップ・チューンを集めた印象的なコレクショ…
Feral by RVG 陽気な2作目『Feral』で、メルボルンのロッカー・RVGはオーストラリアで最も活発なアクトの一つであることを知らしめている。リード・シンガーであり、ソングライターであり、ギタリストでもあるRomy Vagerはいまだに犯罪者やアウトサイダーの…