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<Bandcamp Album of the Day>Built to Spill, “Built To Spill Plays The Songs Of Daniel Johnston”

ソングライターである故・Daniel Johnstonの類まれなる才能の一つは、人間の小さな喜び、そして押しつぶされそうになるほどの憂鬱を繊細かつはっきりと表現することができる能力だった。作詞家として、Doug Martschもまた、物事を観察する能力に長けていることで知られている:彼がBuilt To Spillで書いた曲は、それがどれほどひょうきんなものであったとしても、人生の頂点や谷を名状しがたいやり方で記録している。それは、このバンドがJohnstonの音楽をカヴァーするのにこの上なく適している理由の一つである。もう一つの理由は、Martschが長年にわたってJohnstonのファンであり――彼は1996年のBuilt To Spillレア音源集 "The Normal Years" の中で 'Some Things Last a Long Time' をカヴァーしている――2017年のツアーにおいてこのソングライターのバックを努め、Johnstonの作品の複雑さに正面から取り組んだ経験もある。その長旅の中で行われたリハーサルの間にコンパイルされたこの "Built To Spill Plays the Songs of Daniel Johnston" はJohnstonのフォーク的ルーツと開かれた精神性に忠実である、星のようなカヴァー・アルバムである――即席でありながら、信じられないほどに複雑なトリビュートだ。

Martschと当時のバンド・メンバーであったベーシストのJason Albertini、そしてドラマーのSteve Gereは、Johnstonの作品のエッセンスを捉えた、温かく元気に溢れたパフォーマンスを披露している。ファズを目一杯使い、まるで大いばりであるくような 'Fake Records of Rock and Roll' はいい塩梅のノイジーなスパイスを誇り、 'Queenie The Dog' では爪弾かれたギターと推進力のあるリズムがもつれ合い、 'Good Morning You' は壮大で的確なリフによって刺すようなインディー・フォークが切り出される。 'Bloody Rainbow' で、彼はJohnstonが歌っていたよりも「affair」「care」という単語に強調をおき、「彼女はあの恋のから騒ぎを覚えている/蒸し暑いロマンスで、他のことなど手につかなかった」というラインを歌う。このように伸ばして歌うことで、Johnstonの曲の中に常に潜んでいる切望の感情が誇張される。MartschがJohnstonのしの中でも最も広く知られているものの一つ( 'Tell Me Now' の「友達を見つけるのは難しい」という箇所)を歌う時、彼の諦めと物悲しさの組み合わせが胸を打つ。

By Annie Zaleski · April 30, 2020

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