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<Bandcamp Album of the Day>Black Taffy, “Opal Wand”

Donovan JonesはBlack Taffyとしてビート・ミュージックを作り始める前、This Will Destroy Youというポスト・ロック・バンドでキーボードとベースを弾いていた。現在はLAの名高いLEAVING Recordsと結びつき、ダラスを拠点とするこのプロデューサーが作り上げるエレクトロニック・サウンドはビート・シーンの全盛期に漠然とインスパイアされていて、Low End TheoryのDJたちの頭がついつい動いてしまうパーカッションと、TeebsやDaedelusのようなエクスペリメンタルな先駆者たちのようなメロディックなシンセが特徴である。しかしJonesのBlack Taffyはパーティに間に合わなかったというわけではない。むしろ、彼はそのシーンの断片を彼自身の、魅力的に歪んだ観点から再構築しているのだ。

Black Taffyのディスコグラフィーのハイポイントにはベースとパーカッションによって完全に別物になっているアンビエント・アルバム『Parlour Arcana』やLEAVING Recordsでの最初の作品『Elder Mantis』、そしてテレビドラマシリーズ『The Twilight Zone』のスコアを使った13曲のサイクルである『Half Light』などがある。ブラジルとテキサスで録音された彼の最新作『Opal Wand』は、これまでの作品たちの様々なテーマを一つにまとめあげ、Black Taffyというものを最もよく定義づけしている作品となった。緻密なパーカッションと優れたアレンジの才覚を倍増させたJonesは恐怖と美しさの間にある領域を自分のものとし、“Queen's Gambit”のマイナーコードにはその節くれだったエッジにほのかな洗練を付け加えるために暖かなシンセの音色を織り込んでいる。ほかにも、“Ocarina”ではスクラッチされたハープのサンプルを用いて、チョップされたヴォーカル・ラインと、自ら曲から浮きに行こうとしているかのようにトリップしているドラムのグルーヴをアシストしている。全体的に、『Opal Wand』はBlack Taffyの宇宙への新たな入り口である。エキサイティングで、緻密で、それでいて楽々とこなしてしまうのだ。

By Will Schube · May 07, 2020

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