2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧
Innocent Country 2 by Quelle Chris & Chris Keys Quelle Chrisとプロデューサー・Chirs Keysによるコラボレーション、『Innocent Country』(2015)で、このラッパーはその時まで常套手段としていたストーナー自慢のヴァースからの変化を示した。そのアルバ…
Isolation Therapy by Stamp The Wax Stamp the Wax Recordsの新作コンピレーション『Isolation Therapy』は新型コロナウイルスのパンデミックが全世界的に広がっていく中3日間で編纂されたものである。フィーチャーされている音楽の質、そして出現したスピ…
Megawave by Dana Jean Phoenix & Powernerd トロントのシンセ妖婦・Dana Jean Phoenixとウィーンを拠点とするバンド・Powernerdは『Megawave』で結託し、それぞれの武器庫に格納されていた妙技を全て解き放っている。長いフィルター・スウィープ、図太い方…
III by 24-Carat Black 1973年、オハイオ州シンシナティのファンク・ソウル・アンサンブル、24-Carat Blackがデビュー・アルバム『Ghetto: Misfortune's Wealth』をリリースした。伝説的なStaxレーベルの刻印が刻まれていたにもかかわらず、このアルバムはす…
Woman Call by Angel-Ho Angel-Hoの2作目『Woman Call』は彼女のこれまでで最も強力なポップ・ステートメントであり、そのサウンドは彼女の特徴である行き過ぎた実験的要素を保ちながら、推進力のあるビートまで削ぎ落とされている。彼女はハウス、ダンス、…
La Yarará by Malena Zavala ロンドン在住、アルゼンチン出身のMalena Zavalaは2018年の崇高なデビュー・アルバム『Aliso』で自身の生々しい感情をさらけ出した。そして彼女は『La Yarará』において更に深く掘り下げる術を見つけている。クンビア、レゲトン…
Mestarin kynsi by Oranssi Pazuzu フィンランドのブラック・メタル・バンドOranssi Pazuzuの5枚目となるアルバム『Mestarin Kynsi(Master's Nail)』は表面上潔癖の人や戦争神経症の人におすすめできるものではない。アニメのように聞こえるほどシューシュ…
Siti of Unguja (Romance Revolution On Zanzibar) by Siti Muharam ザンジバルのシンガー・Siti Muharamはタアラブ音楽のレジェンド、Siti Binti Saadのひ孫娘である。「タアラブの母」として知られるSaadは、当時女性が公の場で演奏することが不適切だとさ…
Resonance by Yumiko Morioka ピアニスト・盛岡夕美子が1987年に発表したデビュー・アルバム『Resonance』にまつわるすべてのものから大気を滲み出ている。このアルバムはGreen & Waterというレーベルから。「環境音楽」として知られる日本の音楽的ムーヴメ…
The Don Of Diamond Dreams by Shabazz Palaces Shabazz Palacesは長年、より良い世界というのは100%政治的なヒップホップでも、100%物質主義的なヒップホップでもカヴァーしきれないような、そんなルートで可能になるものであるという立場で活動してきた…
Forever by Midwife デンバーの音楽家・Madeline Johnstonは、自信がMidwife名義で制作している音楽を「ヘヴン・メタル」と呼んでいる。彼女の楽曲の中では、ドリーム・ポップ、アンビエント、ローファイ・ギターが結び付けられて並んで提示されることで、「…
Doom Mix Vol. IV by Various Artists 2017年に『Doom Mix』シリーズの第一弾がリリースされた時、それは美的な目的もそうだが実用的な目的を果たしているように思われた。Tarkamt、Jeremy Bible、HOTT MTといったまだ好事家たちに補足される前のアヴァン・…
The experience of repetition as death by Clarice Jensen チェロ奏者/作曲家のClarice Jensenの音楽は没入感が強烈で、その中で迷子になってしまうことも簡単である。彼女の根気強い「チェロの星座(“Chello Constellations”)」―彼女の初期の楽曲タイト…
Jacqueline by Jackie Lynn Jackie Lynnという名前に馴染みながないのであれば、彼女がすでにスターであると思いこんでしまっても仕方がない。彼女の最新作『Jacqueline』で見せてくれる、彼女の自信たっぷりでこの世のすべてを見てきたかのようなトーチ・シ…
The Quarantine by Statik Selektah & Termanology 世界保健機関がCOVID-19ウイルスの全世界的流行(パンデミック)を宣言し、国中の都市がその感染拡大を抑え込もうと必要な策を講じ始めてから3日が経過したあと、Statik SelektahとTermanology―1982という…
It Is What It Is by Thundercat Thundercatの音楽は美しいまでにぶっ飛んでいる。それはPファンク、R&B、LA産のエレクトロニック・ミュージック、そしてロックが融合したJaco Pastorius風の先進的なジャズ・フュージョンである。彼は考えられないほどのスピ…
Less of Everything by Es 「こんなにも退屈な気分になって/私は一体何を手に入れたのだろうか」ロンドンのシンセ・パンク、EsのMaria Cecilia Tedemalmはデビュー・アルバム『Less of Everything』の1曲目でこう問いかける。Tedemalmの声に抑揚はなく、痛…
You Become The Mountain by Jeffrey Silverstein 今ほど不安が強い時期でなければ、Jeffery Silversteinの『You Become the Mountain』は日曜の朝の誠実なお供になっていたかもしれない―コーヒーのカップを片手に座りながら、夜明けに疲れた目から睡眠をこ…
Devouring Ruin by WAKE この十年間の大半の間、カルガリー出身のWakeはメタルの中でも、かつてはかなり厳格だった境界線の中を自由に踊り回ってきた。根っこはグラインドコアにおきながらブラック・メタルへと枝を広げ、激烈なノイズにまっしぐらに向かった…