<Bandcamp Album Of The Day>Various Artists, “Isolation Therapy”
Stamp the Wax Recordsの新作コンピレーション『Isolation Therapy』は新型コロナウイルスのパンデミックが全世界的に広がっていく中3日間で編纂されたものである。フィーチャーされている音楽の質、そして出現したスピードに加えて、この『Isolation Therapy』を特徴づけているのはオリジナル曲をこのコレクションに提供した27組のアーティストには、普段よりも高いロイヤルティが普段よりも短い期間で支払われるということだ。アーティストがこの先の見えない状況でもいくらかの収入を得ることができることを確証するのが目的である。
さして驚くべきことではないが、Stamp the Waxのチームは信じられないほど短い予告期間の間に非常に印象的なキャストを集結させることに成功した。このアルバムは主としてエレクトロニック・ミュージック、なめらかでビートレスな奇人からレイヴ風のブレイクを鳴らす無法者、そしてその中間のすべての地点における豪華な一連隊が集結している。The Head(Joseph ShabasonとThom Gill)は隔離によって発生する不安を和らげるために設計されたかのようなソフトなコードと日を浴びたギターが聞こえる“All The Things I Am“を提供している。Manuel Darquartは勝ち誇ったかのようにファンキーな“It’s a Dub”でPatrick AdamsとLeroy Burgessを繋ぎ、Tom Blipはウガンダのフルート奏者・James Ocenと組んで荒々しいシャッフル・ハウス“Pineapple Boosts Your Melatonin”を作り上げた。このアルバムでは幅広いムードやスタイルが行き交っているが、総じてポジティヴなムードが感じられる―音楽そのものの響きであれ、曲のタイトルであれ、これらすべての音楽全体を一気に聞くという総体の効果であれ。『Isolation Therapy』はこの不確実な日々における楽観的なサウンドトラックであり、ときに過去を物悲しげに見つめながらも希望とともに前を向いている、そんな一枚だ。
By Sean Keating · April 23, 2020