メタル
Gas Lit by Divide and Dissolve Takiaya ReedとSylvie Nehillは言葉をすりつぶしたりはしない。それどころか、彼らは言葉自体使うことがない。彼らが選んだドローン・メタルという表現方法は、明確なステートメントを発話するのには向いていない――その内容…
Perpetual Chaos by Nervosa ブラジルのスラッシュ・メタル・バンド=Nervosaの4作目『Perpetual Chaos』は昨年はじめのメンバー編成の変更によってギタリストのPrika Amaralが唯一の創設メンバーとなってから初となる作品である。しかしそれは不幸中の幸い…
2R0I2P0 by Boris & Merzbow Borisには不作の年というものがない。この世紀が始まった時から、このメタル界で最も大胆なバンドの一つに数えられる彼らのディスコグラフィーは1年に1度の氾濫を起こし、カレンダーはスプリット、シングル、コラボレーション、…
Enlightened In Eternity by Spirit Adrift ヘヴィ・メタルに極めて特有である勝ち誇るような輝きは、時にこのジャンルのダークな領域の持つ広大な影によって隠されてしまうことがある――デス、ドゥーム、グラインド、フューネラル・ドゥームといった名前がつ…
得点:7.6 筆者:Gabriel Szatan 聴いている人たちに打ち勝つよう語りかけ続けた、その闘いに遂にチェスター・ベニントン自身が負けてしまったのは、彼が41歳の時だった。Linkin Parkの音楽を形作る特徴とは、トラウマと向き合っていくための手段をリスナー…
Epic・1999年 文:Jeremy D. Larson 点数:8.7 急進的ラップ・ロック・バンドの3作目にして、1999年の停滞の中に産み落とされた、彼らの最も鋭い革命的演説 2000年の民主党全国大会で、クリントン大統領が基本政策演説を行おうとしていたステイプルズ・セン…
Internal Incarceration by Year Of The Knife 孤独と内省というのは古くからある風習ではあるが、みなさんがご存知の理由によって、その精神状態は今の世界的状況と切っても切り離せないものになってしまった。もちろん何もかもがパンデミックについてとい…
Skeleton by Skeleton パンデミックが起こるまでの間、オースティンの三人組=Skeleton――ドラマー/ヴォーカリストのVictor Ziolkowski、彼の兄弟でギターのDavid、そしてベーシストのCody Combs――はプリミティヴなスラッシュ・メタルとファースト・ウェーヴ…
Éons by NEPTUNIAN MAXIMALISM 123分、フィジカル盤では3枚組CDである『Éons』はベルギーのNeptunian Maximalismの新作であり、見たまんまの重量感ある作品である。例えそうだとしても、このプロジェクト――2018年にマルチ奏者のGuillaume Cazaletとサックス…
Providence by Ulthar ベイ・エリアの漆黒のデス・メタル・トリオ=Ultharはこの2作目『Providence』において、変わらずにその奇妙な道を勝手気ままに突き進み続けている。ベーシスト/ヴォーカリストのSteve Peacock――これまでもMastery、Apprentice Destro…
Mestarin kynsi by Oranssi Pazuzu フィンランドのブラック・メタル・バンドOranssi Pazuzuの5枚目となるアルバム『Mestarin Kynsi(Master's Nail)』は表面上潔癖の人や戦争神経症の人におすすめできるものではない。アニメのように聞こえるほどシューシュ…
Devouring Ruin by WAKE この十年間の大半の間、カルガリー出身のWakeはメタルの中でも、かつてはかなり厳格だった境界線の中を自由に踊り回ってきた。根っこはグラインドコアにおきながらブラック・メタルへと枝を広げ、激烈なノイズにまっしぐらに向かった…