＜Bandcamp Album Of The Day＞Container, “Scramblers”
Ren SchofieldがContainerとしてここ10年でリリースした作品は互いに補い合うようなものだった。彼はすべて『LP』と題された4枚のノイズ・テクノ・アルバムをリリースしてきたが、それはどれもハードコアやミニマル・テクノに影響された堅甲で骨格のようなビートを焦げ付くようなノイズと細かく砕くようなエレクトロニクスで装飾したものであった。Schofieldは音響的な破壊に長けている一方で、その混沌の下にあるリズム的基礎は楽曲に加速させる勢いを与えている。
Schofieldの最新作『Scramblers』はそのタイトルがこれまでの『LP』から変わっていることからも明らかなように、彼の厳格なフォーミュラに大小さまざまな変化があったことを示している。『Scramblers』ではSchofieldはノイズを至福の高みに保ちつつ馴染みのある要素を捨て去っている。同名の1曲目は削岩機と電動ドリルのために書かれたハードコアテクノとして始まるがやがて歪んだシンセのアルペジオによって沸騰していく。“Mottle”は執拗に減速と加速、痙攣を繰り返しながら自らを引き裂こうとする淵にいるようにも聞こえる。一方で“Queaser”のシンセは古いヴィデオ・ゲームから取ってきたようなチップ・サウンドを聴かせる。この曲のビートがようやく始まると、そこには遠吠えをする動物の鳴き声のフィールド・レコーディングのコラージュがこの前の曲の工業的な金属音とシームレスに混ざり合っていくような開かれた空間となる。このトランジションはSchofieldの作品を繋ぐ技術、会心の一撃をトラックリストの中でさり気なく着地させる術が以下に優れているかの完璧な実例となっている。Containerは一貫してノイズとダンス・ミュージックの双方のニュアンスに関して確固たる理解を持ち合わせてきたが、このアルバムはその配合がもたらす興奮と楽しみをこれまでにない高みで実現している。
By Miles Bowe · March 16, 2020
