<Bandcamp Album of the Day>Sun Kin, “After the House”
ロサンゼルスを拠点とするエレクトロニック・ミュージック・プロデューサー=Kabir Kumarが作る音楽はどこか儚さを感じさせる。常にベッドルーム・ポップやサイケデリック・フォーク、ディスコ、ハウスと言ったジャンルを横断しているが、その土のラベルにも落ち着きすぎるということがない。彼はSun Kinとして10年以上もの間楽器やジャンルを用いて実験を行い、個人的な経験を音の中に蒸留してきた。その4枚めとなる『After the House』において、Kumarはハウスやディスコ、R&Bに加えて青年時代に聴いていた中東やインドのポップを取り入れ、それをリアルな親密さと脆弱性を持った四つ打ちのダンス・アンセムへと作り変えている。
この作品は “We Build Tiny Houses for the Dead” で幕を開ける。この曲ではダークなテクノのリズムとツルツルのループするシンセが曲の盛り上がりと共にグルーヴィーなディスコ&ファンクな音色に変わっていく。Kumarのプロダクションに対するアプローチには二面性があって、暗闇が徐々に光へと導いてくれるかのようである。それは “Trying to Trust” で前景化されている:起伏のあるシンセと90年代初期ハウス風のピアノがSun Kinの自衛本能と欲求に身を委ねてしまうことについての柔らかく、エモーショナルな告白を強調している。その声には疲れ切っている感覚と俗っぽさがあって、アルバムを通じて聞ける人当たりがよく晴れやかなリズムに対する裏切りになっている。その鮮明で複雑な雰囲気によって、『After the House』は深夜の内省のために作られたアルバムのようであり、ネオンライトの輝きの下精神を洗浄するという行為への招待状である。
By Amaya Garcia · February 12
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