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<Bandcamp Album of the Day>Wylie Cable, “Shimmer, Then Disappear”

Wylie Cableの8枚目となるアルバム『Shimmer, The Disappear』のライナー・ノートには影響源を付した長いリストが書かれている――その中にはダウンテンポドラムンベースIDM、ミュージック・コンクレート、そして「808たっぷりのトラップ」が含まれている――。しかし最も驚くべき部分は最も直截的に書かれている部分である。終わり近くに、Cable――プロデューサーにしてエレクトロニック・レーベルであるDome of Doomの創設者である――は吠える:「もし自分の名前を変えることができたら?そしたら自分の後悔から逃げるか?それとも元もままにしておくか?」『Shimmer』において最も突出しているのは、Cableが人生に忠実に感じられるようにこの手の質問を考えている、その手法である。

彼は頻繁にこれらの疑問に苦悶している。”The Critter and the Creature” には泣き叫ぶようなギターが、まるで人間が泣いているような生々しさと痛々しさを思わせる様なサウンドに加工されている。1曲目の ”How to Disappear” はウッドブロックを用いたパーカッションとヘヴィなベース、そして隙のない木管楽器によってサスペンスを作り上げている。その1曲後、ナーサリー・ライム・エレクトロニカである ”Travel Light” が思いがけない救済を提供してくれる。Cableの特性は一瞬にして大きな印象を聴き手にあたえることだ:『Shimmer』のランタイムは40分足らずである――そして終わるころには、彼は自分の質問に回答を与えている:最後の ”Mic Flip” は同胞であるプロデューサー=Two SingsによるMac Millerへのトリビュートがサンプルされていて、Millerが死の直前に残した2018年の作品にみられるソウルフルな簡潔さを讃えている。これはCableがこう言っているように思えるのである。「単に生きているだけでは、人は誰も完全に消えることなどできないのである」と。

By Christina Lee · September 23, 2020

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