<Bandcamp Album Of The Day>Prolaps, “Pure Mud Volume 7”
Prolapsはこの『Pure Mud Volume 7』という、Abletonのノイズ・クリップとBPM160の純粋な良きものの調合を濾過した抑制されていないニュー・インターネットの作品において、聴き手にすべてを投げつけている。Machine GirlのMatthew StephensonとKill Atlersのヴォーカリスト・Bonnie Baxterからなる二人組・Prolapsは、実験フリーク音楽というのは様々な体外離脱の感覚でリスナーに殴りかかる際に最も効力があるということを理解している。この『Pure Mud Volume 7』にはそのような瞬間が満載であり、MinistryやSkinny Puppyがトラックリストを分け合っているようなフリーキーな90年代のレイヴ・コンピレーションとも相性がいいだろう。
StephensonとBaxterはサウンドとアイデアの素晴らしい結婚を象徴している。Machine GirlとしてStephensonは脈打つようなブレイクビーツが詰まった激動のテクノ・モッシュ・ピットを作り上げ、そしてBaxterは直感的なヴォーカリストであり、“Hermetic Pinnavle”や“OHMYGODohmygod”でStephensonによるひっきりなしに続くパーカッシヴなループに匹敵するために自身の声をサンプルし奇妙な雰囲気を醸し出している。彼女のヴォーカルは『Pure Mud Volume 7』の楽曲タイトルが馬鹿げた空想ではなく楽曲自体に適した説明であることの主たる理由である(“Liminal Sticky Jam”、“Fight [or Flight] Song”、“Channel Massive”が主な好例だ)。アルバムのハイライト“Overrealmed”において「お前自身とお前の身体今何処にある?」とBaxterが叫ぶとき、それは単なる質問ではなく、命令なのだ。Prolapsのデビュー作にはDreamcrusherやDeli Girlsのようなエレクトロニックに根ざしたパンクの新たな波によって捉えられていた躁的なエネルギーをまとめ、それを粘液に仕立て上げた上でそれを蛍光グリーンのスライムのように投げつけてくる。それはとち狂っていて野卑であるが、愉しみでもある。
By Eli Schoop · March 18, 2020