海外音楽評論・論文紹介

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<Bandcamp Album of the Day>Sons of the James, “Everlasting”

Sons of the Jamesはアトランタシンガー・ソングライターRob Miltonとプロデューサー/マルチ奏者=DJ Harrisonのコラボレーション。MiltonがBlack Lives Matterの抗議活動で経験したことをもとに2015年、Harrisonの故郷=リッチモンドで制作された彼らのデビュー作『Everlasting』は豊かで厭世的な、強力なソウル・ミュージックである。簡潔なインストゥルメンタルのイントロに続いて、アルバムは “I Want More” でドアをけ破るようにして始まる――音が大きく、オーヴァードライヴの効いたドラムとヘヴィなベースラインがMiltonの亡霊のようなヴォーカル・ハーモニーの下でドライヴしていく。この曲はゴスペルの影響も色濃く、そして明らかにソウル・ミュージックであるが、同時にパンク・ロックのような電気的エネルギーを想起させる。

Donny Hathawayの “Thank You Master (For My Soul)” の快活なカバーによって、この二人は2000年代初期のネオ・ソウル――『Voodoo』期のD'Angleo、Glenn LewisBilal、そしてDonnie's The Colored Sectionなど――のサウンドと感覚を見事によみがえらせている。MiltonのドリーミーなトーンとみずみずしいハーモニーがHarrisonの独創的なプロダクションと一体となることにより、このアルバムはフレッシュで現代的であると同時に何十年にもわたるブラック・ミュージックの伝統にどっぷりつかっているのである。

By John Morrison · November 17, 2020

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